ドラゴンの飼い方

ドラクエより野球が好きです。野球より釣りが好きです

探しものは何ですか

俺の名は 江戸川ぐりんうぇる
 
探偵だ
 


不思議と俺の周りでは
 
世界の殺人事件の9割が発生する
 
そのためか 俺に付いたあだ名は
 
「死神」
 
この名が俺ほど似合う奴はいないと自負している
 
知人は俺のことを
 
「虫も殺せないような顔して人を殺してそう」
 
と言ってくる
 
殴りたい
 
お望みどおり殺してやろうか
 
どうでもいいけど顔色が悪い?
 


たぶんあと数年はこんな色だ
 
それはさておき
 
そんな俺に ある事件の捜査依頼がきた
 
被害者の名前は
 
フェラチオ・プーコ・ボッキー二
 


あだ名は くそ煮込みうどん
 
好きなタイプは 山川穂高
 
口癖は 「その白いシャツ、赤に染めてやろうか」
 
埼玉県在住の元ブライダルプランナーだ
 
なんでも昨日の夜 パンティを盗まれたそうだ
 


こんなブスのパンティを盗むなんて
 
狂気の沙汰としか思えない
 
現場には何の証拠もなく
 
捜査は暗礁に乗り上げかけたが
 
数時間前 匿名希望で犯人の情報が寄せられた
 
犯人の名前は
 
「ス」から始まり「メ」で終わる3文字
 
あだ名は 歩くフリー素材
 
小太りの中年女性で
 
熱狂的中日ファンであり
 
不思議と今年5月から死んだ目をしているそうだ
 
手がかりはないに等しいが
 
俺には一人だけ 心当たりがある
 
しかし証拠がない
 
いや ないなら掴めばよいだけのこと
 
俺は現場へ急いだ
 


いた
 
やつだ
 


むむ やつの被っている帽子
 
あれは被害者のパンティに違いない
 


隠すどころか被るとは
 
心臓に陰毛が生えたようなやつだぜ
 
これだけでも証拠は十分といえるが
 
さらにこれを見ろ
 
卑猥なメモの数々
 

 
確信を得た俺は
 
やつを逮捕する手続きをするべく
 
署へ戻ったが
 
その手続きは開始することはなく
 
俺の独房行きが決まった
 
 
 
独房にいる俺宛に
 
一通の手紙が届いた
 

 
 
受刑者の声だけが響く独房で
この手紙だけが
俺の支えとなった