俺の名は 江戸川ぐりんうぇる
探偵だ
最近ようやく「江戸川」の予測変換で
「ぐりんうぇる」と表示されるようになった
スマホにさえ探偵だと認知されたと言ってもよいだろう
しかし暇だ・・・
人っ子一人死んじゃいねぇ
平和なのはけっこうだが
死体がねぇことには仕事がない
こんな時に向かう先は決まっている
スズメタウンだ
スズメタウンなら狸の惨殺死体が100体吊るされていようと
何ら不思議ではない
しかし妙だ・・・
何かがおかしい
死体が見当たらない
「猫も歩けば死体に当たる」スズメタウン
人っ子一人死んでいない
考えられる理由は1つ
死体の隠蔽だ
チムメンから巻き上げた金で
建てられたであろうスズメタウン
その敷地は広大であり
死体の隠し場所は腐る程ある
いったいどこから探せば
素人ならそう思うだろう
だが俺はその道のプロ
俺の手にかかれば課長の愛人のスリーサイズから
けつ毛の数までお見通しだ
木を隠すなら森
死体を隠すなら
スズメタウン本邸しかない
見ろ ビンゴだ
一見ただの狸に見えるが
目が死んでいる
コイツだけじゃない
全員死んだ鯖のような目をしている
死体の隠し場所は分かったが 証拠がない
だが何ら問題ない
なければ作ればいい
それが名探偵だ
設置箇所はトイレが良いだろう
この臭いだけで死にそうだが
俺が仕掛けるのはウォシュレット
一見普通のウォシュレットたが
ランダムで以下のどれかが発射される
・常温水
・冷水
・温水
・熱湯
・醤油
・アナルアサシン
これぞまさに ぐりんうぇるルーレット
何が出るかはお楽しみだ
だが1つ心配なのは
コイツが期待通りの動きをしてくれるかどうか
テストは必要だろう
俺は恐る恐る便座へ腰かけ
ウォシュレットのボタンを押した
そこに待っていたのは
眩いばかりの 新世界だった
アナルアサシンをスマホで検索する際は
周りに誰かいないか
ご確認の上お願い致します